北海道大学Super Scientist Program

Super Scientist Program カリキュラム

 現代の科学研究はひとり研究室に閉じこもって行うものは少なく、外国も含めた外部との情報交換や刺激によって動機と目標が形成され、アイデアが生まれ、精力的な研究作業へと繋がります。そこで求められる5つの能力(図参照)を、北大SSPでは受講生の目標としています。
 そして想像力あふれる学問を開拓するには、物理, 化学, 生物, 地学といった科目を独立なものとして捉えるのではなく、それらの関係性を様々なスケールで俯瞰する能力が重要です。北大SSP では、北海道大学ならではの研究資産と地域性を活かし、こうした高度な能力を備えた研究人材を育成したいと考えています。

北海道大学SSP受講生の目標

教育プログラム

 上記の素養のある「研究者の卵」を育成するための教育プログラム(1年目のSSP受講生)の年間予定は下記のようになっております。

教育プログラム
一次選抜:7 月上旬
意欲に基づいた研究の素養(独自性, 論理性, 解析力)を確認する為、ICT (情報通信技術)いわゆるネットを活用した課題遂行型試験を7月上旬に実施します。方法や過去問については「よくある質問」の該当項目を参照。上位約55名を2017年度一次選抜者とします。
夏期スクーリング(基礎講義)兼二次選抜:8月上旬

一次選抜者は、8 月上旬に札幌キャンパスで開催される合宿形式スクーリングに参加します。このスクーリングでは、通常の高校授業では得られない高度な研究のための素養の習得と、留学生との意思疎通に必要な英語でのコミュニケーションの体験、各種講義や科学実習、及び、グループでの科学議論の実践に取り組みます。このスクーリング参加時の複合的評価と一次選抜の成績を勘案して、20-30 名の二次選抜者を決定し9月上旬までに通知します。2015年度の基礎講義内容や受講した高校生のみなさんの感想は「よくある質問」のページに記載してあります。

スクーリング内容:

  • ノートの取り方、レポート/論文の書き方、研究テーマの設定方法、研究議論の仕方、理系英語の学習方法などについて講義や実践を行い、代表的な計測機器の取り扱い実習、スペクトル計測実習などにも取り組みます。
  • 5-6人の受講生グループ毎に外国人留学生をTAとして配置し、科学に関連する議論を通して、国際レベルのコミュニケーションを体験。
二次選抜者の活動内容:9 月~翌年5 月まで
北大SSP の二次選抜者への教育プログラムでは、週1 回のネットを駆使した研究グループ毎の議論を教育・研究の主体としています。そして、それを補う (a)科学研究に必要な素養の習得と、(b)自主性を重視した議論に基づく研究の加速(実験・観測・データ処理のグループ活動)、(c)英語に対する苦手意識の克服、を実践するための合宿形式のスクーリングを北海道内の各所で適宜(年4-5 回)開催します。このため、北大SSP では、スクーリングにおいて基礎学力を付けることに重点はおきません。
一方、二次選抜者は、本来ならば大学院生が取り組む最先端の研究課題に取り組みます。しかも、受講生自らが研究テーマを設定し、設定した研究テーマでグループ研究を実践します。8 ヶ月間かけて研究に取り組み、二次選抜者全員が、学会での口頭発表(一般セッションでの登壇)を目標とします。受講開始時に高校1 年生で、特に優秀な受講生は、2年間継続することができます。二年目の受講生には、特別プログラム(生物実習、各種フィールドワーク、TOEFL受講補助、科学英語聴解力養成講座)の受講や、国際会議での口頭発表、英語での論文執筆を目指します。また、二次選抜者にはICT をフル活用して、様々な個別研究指導を実施します。
フィールド科学と実験室科学/情報科学を融合した研究課題でグループ研究

(道内各所でのスクーリング + 遠隔ミーティング(月に4回程度))

  • 受講生が4-5人程度のグループを組み、グループ毎に具体的研究課題を設定。場合によっては、必要な装置開発案や研究手段をも受講生自ら考案します。最終的には2-3人からなる研究グループに分かれて活動し、学会発表を目指します。
  • グループ内で役割分担し、研究の計画書の記述から実験・観測の実施、考察をして、中間、期末研究レポートにまとめます。中間レポートについては添削・評価し、受講生にフィードバックします。
  • 顕微鏡スケールの現象や室内実験から、屋外のフィールド、さらに人工衛星を用いた計測まで、スケール間の相互作用や関係性を実感できる研究に取り組みます。
  • グループ毎に外国人留学生をチューターとして配置し、国際レベルのコミュニケーションスキルの習得を目指します。
  • 研究内容により、泊まりがけで野外測定に出かけ研究を進展。
  • 二年目の継続受講生は、国際会議での発表や英語論文の執筆・投稿を目指します。
  • ICT をフル活用した個別研究指導も北大SSP の大きな特徴です。

過年度スクーリング例

  • ・北海道大学水産学部附属練習船おしょろ丸によるグローバル対応航海(函館沖にて停泊、イカつり・海洋調査体験、航海中の指示、講義は全て英語)
  • ・局所気象観測装置の開発・実測(北海道伊達市大滝区)
  • ・論文の書き方、画像解析講座など研究内容に応じた実践的講座の開催や、研究室見学、研究内容の深化を目指したスクーリング(北海道大学札幌キャンパス)

課題フレーム

1

地上生命環境

  • 樹木や農作物を現場計測及びリモートセンシング(遠隔計測)することで、生命環境制御・計測の新しい手法を開発。
  • 計測対象例:世界最大規模の北大研究林又は農場の農作物, 雷神2衛星など
    室内実験例:作物や樹木の葉の成分分析, 電子顕微鏡・偏光顕微鏡撮影
  • 計測器例:スペクトル撮像装置, 環境計測ユニット(気温, 湿度, などを自作)
  • リモートセンシング例:人工衛星の画像データの解析、森林タワーからの撮像
地上生命環境
地上生命環境

課題フレーム

2

地球大気現象

  • 雷放電や降雨・降雪など局所気象を観測し、それを衛星などの既存広域観測と比較し、関係性を理解する。
  • 計測対象例:雷放電、気温・湿度・気圧・風速などの気象因子, 世界唯一の全地球雷放電観測網による雷情報
  • 室内実験例:計測器の開発、雪の結晶撮像など
  • 計測器例:電磁波計測機器、気象計測機器、データ記録系
地球大気現象
地球大気現象

課題フレーム

3

惑星と地球

  • 世界最大級の惑星観測望遠鏡を用いた月・惑星観測。地質・鉱物や雲の計測を地球と月・惑星で比較して、宇宙の中の地球を理解。
  • 計測対象例:月、太陽系惑星、彗星、地球
  • 室内実験例:鉱物のスペクトル計測、反射・偏光特性計測
  • 計測器例:附属天文台望遠鏡、スペクトル計測装置、反射・偏光特性計測(自作)
惑星と地球
惑星と地球

受講生の研究課題例

2016 年度受講生研究テーマ例
  • ・Landsat 8 による赤雪分布の再評価
  • ・インドネシア特有の新しい火災危険指標の開発
  • ・リモートセンシングを用いた森林に於ける樹木の被覆面積の推定
  • ・北極圏トナカイの周遊経路の年次変化に関するリモートセンシングによる研究
  • ・Analysis of optimal conditions for photo-based 3D modeling of cloud-like objects
  • ・Cloud observation by 3D modeling based on camera images
  • ・The method for identification of the cryoconite distribution by using satellite image
  • ・Seeking the distribution of cryoconites using satellite images
  • ・Performance evaluation of low-cost poor-visibility meter for hyper-densely observation of blowing snow
  • ・Development for polarization monitoring method of black ice area on roads
2015 年度受講生研究テーマ例
  • ・リモートセンシングによるバングラデシュの稲作面積の推定
  • ・インドネシアの森林火災発生地域の予測に向けた衛星画像解析とスペクトル測定
  • ・インドネシア森林火災と表面土壌水分量の関係̶衛星画像解析と土壌スペクトル測定を通して-
  • ・衛星リモートセンシングによるトナカイの移動経路の解明
  • ・トナカイの移動経路変化とその原因のリモートセンシングによる解明
  • ・リモートセンシングによるコーヒーさび病のモニタリング手法の開発
  • ・衛星リモートセンシングによる北海道の積雪水量の推定
  • ・スマトラ島森林火災により放出されたエアロゾルの周辺気候への影響
  • ・低コストの吹雪による視程障害判定気象装置の開発
  • ・クロスカントリースキー競技に資する多点気象観測法の開発
  • ・クロスカントリースキー競技に資する摩擦係数測定装置の開発
  • ・木星衛星ガニメデの酸素吸収量の分布
  • ・木星極域におけるヘイズのキャップ状構造に関する研究
2014 年度受講生研究テーマ例
  • ・リモートセンシングによるシカ食害地域の推定
  • ・リモートセンシングによるシカの食害検出のためのササのスペクトル計測
  • ・アオコの発生領域と原因の究明における衛星データの応用
  • ・ザンビア-カブウェとその周辺における鉛汚染の規模の調査

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